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【ロータス・セブン】スーパーセブン、公道を走れる超軽量クラブマンレーサー

ロータス・セブンの概要

ロータス・セブンは1957年10月、ロンドンにあるアールズ・コートエキシビジョンセンターで開催されたモーターショーで発表されました。ロータス社の創始者、コーリン
・チャップマンがデザインしたロータス・セブンは、小さくて軽くミニマムな作りのオープントップ・ツーシータです。1973年までの16年間に合計2,557台が製造されました。1957年のモーターショーではまた、ロータス社初のクーペモデルである、ロータス・エリートも同時に発表されました。

ロータス・セブンは現在でも世界各国の自動車メーカーによってレプリカや、ニアセブンと呼ばれるロータス・セブンをモチーフにしたモデルが販売されています。オリジナルのロータス・セブンを含め、レプリカやニアセブンはそれぞれ、メーカーの思想や理念により異なる特徴を持ちますが、全てを総称してスーパーセブンと呼ばれることもあり、根強い人気を保っています。

ロータス・セブンは、オープンホイールのクラブマンレーサーでありながら、公道を走れることが大きな特徴の1つです。完成品の形だけではなく、キット販売もされたため、安価に手に入ることで人気を集めました。

コーリン・チャプマンの哲学は「無駄を削げ、そして軽量化せよ」というもので、ロータス社のモデルにはこの哲学が貫かれています。

ロータス・セブン、シリーズ1-4

ロータス・セブンは16年に及んだ製造期間にシリーズ1から4までモデルチェンジがなされました。

シリーズ1

ロータス・セブンのシリーズ1は、1957年9月から1960年6月まで製造されました。シリーズ1は右ハンドルのタイプのみ作られたとされています。ほとんどの個体が、未塗装の状態で工場から出荷され、購入者が好みの塗装を施す形が取られていました。

シリーズ1の製造期間はロータス社の工場が移転する時期と重なり、創業当時の工場があったホーンジーと、移転後のチェスハントにある新工場の2ヵ所で製造されました。
シリーズ1に採用されたのは、1,172ccのフォード100Eサイドバルブエンジン、または1,100ccコベントリークライマックスFWA SOHCエンジン、さらに948ccMBC AシリーズOHVエンジンです。

ブレーキはフロント、リア共に8インチのドラムブレーキが採用されました。

シリーズ2

シリーズ2が製造されたのは1960年から1968年の8年間です。主にフォードのエンジンが採用され、1,172ccフォード100E、997ccフォード105E、1,340ccフォード109E、1,498ccフォード116E、1,600ccフォード2255Eの他、948ccBMC AシリーズOHVエンジンと、合計6種類のエンジンが採用されました。

ギアボックスは全てマニュアルで、フォード3速、BMC4速、フォード4速のオプションが用意されていました。フロントブレーキは8インチのドラムか9インチのディスク、リアは7インチのドラムブレーキです。

総生産台数2,557台の半分を占める1,311台が製造されました。

シリーズ3

1968年9月から1970年1月に生産されたのがシリーズ3です。シリーズ3は1966年に移転したイギリス東部のノーフォーク地方にあるヘーゼル工場で生産されました。ヘーゼルの工場は世界第二次大戦中に戦闘機の製造に使われていた建物で、滑走路を試運転に使えるメリットもありました。

エンジンは1,300ccと1,600ccのフォード2255EOHV、ロータス1,558ccツインカムエンジン、ギアボックスはフォード4速マニュアル、ブレーキはフロントが9インチ、リアは8インチで共にディスクブレーキが採用されています。

シリーズ4

シリーズ4の生産開始は1970年3月です。アルミ製だったボディがファイバーグラス製に変更され、ボディ全体がやや角ばった印象を与えるなど、デザインに変更を受けたことにより人気が落ちたとされますが、ロータス・セブンの総売上の約1/4に当たる約670台が製造されました。

エンジンは、シリーズ3と同様に1,300ccと1,600ccのフォード2255EOHV、ロータス1,558ccツインカムエンジンの3種類。ギアボックスもシリーズ3と同じ、フォード4速マニュアルです。フロントのブレーキは9インチのディスク、リアには9インチのドラムブレーキが採用されました。

シリーズ1から3までのシャーシにはマルチ・チューブラーフレームが採用されていましたが、シリーズ4では、スペースフレームに変更されています。

ケータハム

2020年6月5日、イギリスの超軽量スポーツカーメーカーであるケータハムから、スーパーセブン1600が発売されました。インテリア、エクステリア共に1970年代をイメージさせる伝統的なデザインながら、現代の技術で快適装備を備え、最高速度195km/時、0-100km/時加速は5.0秒を実現しています。

ケータハムは1973年、ロータス・セブンの製造中止発表を受けて、ロータス・セブンに関わる開発と製造の権利を購入しました。それ以来50年近くチャップマンの哲学に忠実にケータハム・セブンを製造販売し続けています。

1960年代のケータハムは、主にロータス社のモデルを扱うディーラーでした。1973年にセブンのファンであったグラハム・ナーンがセブンの製造販売権を得るとすぐにロータス・セブン・シリーズ4の製造を始めます。しかし残念ながらナーンが考えたほどの人気が集まらず、1974年にはシリーズ3にスイッチして製造を開始しました。

1974年にはケータハムから、1,557ccロータスフォード・ツインカムエンジンを搭載した特別な20台が販売されています。このモデルはファンにもメディアにも熱狂的な支持を受け、20世紀を代表するスポーツカーと認定されました。

現在ケータハムで販売されているモデルはいずれも総重量が500kg強、最大出力150hpから310hpまでを取り揃え、ロータス社の特徴であるキット販売をほとんどのモデルで続けています。

バーキン・カーズ

南アフリカを拠点とするバーキン・カーズは、ロータス・セブンのレプリカであるS3ロードスターを製造販売する自動車メーカーです。バーキン・カーズの創業者はロータス・セブンの大ファンだったジョーン・ワトソン。1929年と1931年のル・マンで優勝したヘンリー・バーキンの孫に当たる人物です。

バーキン・カーズの創業は1982年のことです。翌年1983年に発売されたバーキンS3は、世界各国でその品質への高い評価を受けました。

創業以来、バーキン・カーズで製造販売されたバーキンS3は8000台に及びます。完成品、またはキットの形で販売され、現在はアメリカ、日本、ヨーロッパでの購入が可能です。

バーキン・カーズのモデルが「バーキンS3」と呼ばれ、そのモデル名に「セブン」という言葉が入っていない理由は、ケータハムがロータス・セブンに関する権利を買い受けていたためです。

スペック詳細

ロータス・スーパーセブン・シリーズ1のスペック詳細

エンジン:1,340cc直列4気筒OHV
最高出力:84 hp / 6,000 rpm
最大トルク:80 ft-lb / 4,800rpm
最高速度: 165km / h
0−100km/h加速:9.0秒
ボディサイズ:全長 3,125mm、 全幅 1,454mm、 全高 940mm
車両重量: 435kg
駆動方式:FR
トランスミッション:4速MT
乗車定員:2人
新車時車両価格:

ロータス・セブン・シリーズ2のスペック詳細

エンジン:997cc直列4気筒OHV
最高出力:38 hp / 5,000 rpm
最大トルク:53 ft-lb / 2,700rpm
最高速度: 130km / h
0−100km/h加速:9.0秒
ボディサイズ:全長 3,404mm、 全幅 1,524mm、 全高 940mm
車両重量: 390kg
駆動方式:FR
トランスミッション:4速MT
乗車定員:2人
新車時車両価格:

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