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【ロータス・エクセル】兄弟車ロータス・エラン、エリート、エクラの末弟モデル

ロータス・エクセルの概要

ロータス・エクセル
出典:wikipedia

ロータス・エクセルは1982年に発表された2+2のスポーツカーです。1992年までの10年間で2,159台が生産されました。

ロータス・エクセルは1974年に発売されたライトウェイト・スポーツカーであるロータス・エリート75の流れを組むFRのスポーツカーで、1975年発売のロータス・エクラの後継車と位置付けられています。

1982年の発売当時の名称はロータス・エクラエクセルとされており、「優れた(エクセル)」エクラとの意味を持っていました。

ロータス・エクセルのエンジンはロータス・エスプリS3にも採用された、DOHC2.2Lロータス912が搭載されています。シャーシは兄弟車と同じく鋼板バックボーンフレームでFRP製ボディを架装。ボディは上部と下部が別々に作られ、サイドモール部分で接合されています。

自動車の前後重量配分の理想は50:50です。ロータス・エクセルの前後重量配分はその50:50を実現しており、おかげで回頭性に優れているとされます。回頭性とは、コーナーなどでハンドルを切った時の向きの変えやすさで、回頭性の良さは、高速で走るスポーツカーで特に評価を受ける特長です。

ロータス・エクセルが発売された1980年代、排出量規制が厳しくなったことが理由で、アメリカへの輸出はほとんど行われませんでした。

ロータス社のウェブサイトでは、1947年にスタートした同社の歴代を写真で振り返ることができます。

また、ロータス・エクセルに特化したファンサイトTeam Excelでは、エクセルの映像を楽しむこともできます。
エクセルの映像はこちら

ロータス・エクセル、各モデルの変遷

ロータス・エクセル各モデルの変遷は次の通りです。

・1982年:エクラエクセル発売。

・1984年:名称変更により、エクセルとなる。バンパーの色がボディカラーと同色となる。

・1985年:フロントのフェンダー部分の形状に変更を受ける。トランクの開口部分の拡大。フォグランプの追加。15インチのホイールがオプションとなる。

・1986年:エクセルSE追加。エンジンの最大出力が180hpとなる。通常のエンジンと区別するために、赤いカムカバーを採用。また、圧縮比が10.9:1となり、吸気系の効率化が進む。最大トルクは165 lb⋅ft 、45ミリツインチョーク・デロルトキャブレターを採用。ダッシュボードが変更を受け、さらにオプションでエアコンが選択可能に。

・1987年:エクセルSA追加。ZF製の4速ユニットを搭載したオートマチックモデル。高い快適性を追求し、クルーズコントロールシステムと、セントラルロッキングシステムを採用。

・ヘーゼル25周年記念エディション:ロータス社のヘーゼル工場操業開始25周年を祝して製造されたモデル。合計40台。そのうち、35台がメタリック・グリーン、5台がカリプソ・レッド。日本のカー・オーディオメーカー、クラリオンのCDプレイヤー、スピーカーを搭載。その他、床面には高級ウールが敷きつめられ、インテリアには贅沢なレザーがふんだんにあしらわれ、エアコンも装備した。

ロータスとトヨタとの提携関係

2010年9月、トヨタの社長である豊田章男氏にロータス・エリーゼRが増呈されました。これは、2003年からトヨタにエンジン(2ZZ-GEエンジン)の供給を受けてきたロータス社からの感謝の意を表明するためのプレゼントでした。

ロータス社とトヨタ社との提携関係は、1970年代にスタートしました。1982年に発売されたトヨタ2代目セリカのサスペンションをロータスが担当し、ロータスの創業者、コーリン・チャップマンがテレビのCMに出演したことを覚えている方がいらっしゃるかも知れません。

反対にロータス・エクセルには、トヨタ製のW58マニュアル・トランスミッションをはじめ、ドライブシャフト、リア・ディファレンシャル、14×7合金ホイール、ドアノブが採用されています。

コーリン・チャップマンは、ロータス・エクセルが発売された1982年の12月16日、心筋梗塞のため亡くなりました。その後、ロータス社は経営難のため、デビット・ウィッケンスがオーナーとなりますが、トヨタ社もパーツの提供を継続するなど、結びつきは強いままでした。

ロータスは1986年にGM(ゼネラルモーターズ)の傘下に入りますが、1996年にはマレーシアのプロトンに売却されます。さらに2017年にはジーリーホールディンググループ(中国の浙江吉利控股集団)がロータス社の株51%を取得しました。

ロータスモデルのネーミングルール

ロータスファンの間では、ロータス社の歴代モデルの名前がアルファベットの「E」で始まることが知られています。イレブン (Eleven)に始まり、エリート(Elite)、エラン(Elan)、ヨーロッパ(Europa)、エクラ(Eclat)、エリート(Elite)、エスプリ(Esprit)、エリーゼ(Elise)、エキシージ(Exige)、エボラ(Evora)と、1957年発売のロータス・セブン(Seven)以外の市販モデルは全て「E」から始まります。

さて、なぜロータス社のモデルは「E」でスタートするのでしょうか。諸説あるようですが、その中から3つをご紹介します。

1つ目は、単純なげん担ぎです。1956年に発売されたロータス・イレブン(Eleven)が成功したため、コーリン・チャップマンがその名を気に入り、以降、全てのモデルの頭文字を 「E」始まりにしたと言われています。

2つ目は、ロータス社の初期のエンブレムに見られる文字からの類推です。コーリン・チャップマンの正式名は、アンソニー・ブルース・コーリン・チャップマン(Anthony Colin Bruce Chapman)ですが、頭文字を取るとABCCとなります。初期のエンブレムにはこのABCCがあしらわれていて、ABCCの最後のCをDにするとABCDとなり、アルファベット順では次にEが来るため、モデル名をEで始めたとの説です。

3つ目は、大文字の「E」は最も「軽量である」からという説です。「軽量であること」を旨としたロータス社のモデルにふさわしいとされています。

「E」が軽量である理由は次の通りです。「E」は縦1本、横3本と合計4本のラインで構成されており、「E」には90度が4つ含まれています。90度が4つで、360度。360度とは丸であり、丸はゼロを表します。ゼロよりも軽いものはない、という論理です。

コーリン・チャップマン亡き今、どの説が正しいのかを知る術はありませんが、いずれの説もなかなか興味深いですね。

スペック詳細

ロータス・エクセルのスペック詳細

エンジン:2,714cc直列4気筒DOHC
最高出力:160 hp / 6,200 rpm
最大トルク:160 ft-lb / 5,000rpm
最高速度: 216km / h
0−100km/h加速:7.3秒
ボディサイズ:全長 4,394mm、 全幅 1,816mm、 全高 1,207mm
車両重量: 1,135kg
駆動方式:FR
トランスミッション:5速MT
乗車定員:2+2人
新車時車両価格:-

出典:Lotus Cars | Wikipedia

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