knowledge

【MGA】MGを代表するオープンカー

MGAの背景

 

この投稿をInstagramで見る

 

MGA Lifestyle(@mgalifestyle)がシェアした投稿

現在、中国の上海汽車の子会社となっているMGは、1910年にモーリス・ガレージとしてスタートしました。オフィシャルな創業は1924年、その後1928年にMGカーカンパニーとなり、続いて1935年、ウィリアム・モリスの別会社モーリス社と統合されます。さらに1938年には三つの自動車会社(ライレー、モーリス・モーター・カンパニー、MG )を合併してできたナッツフィールド・オーガニゼーションになりました。その後1952年、ナッツフィールド・オーガニゼーションはオースティン社に吸収され、BMC(British Motor Corporation)となります。MGAは当時のBMCで開発され、1955年9月、戦後大人気を誇った箱型のオープンカーTFミジェットの後継車として、フランクフルトモーターショーで発表されました。

MGAのボディワークは、1951年のルマン用に作られたMG TシリーズのTDがベースになっています。運転席がより低い位置にくるようデザインされたシャーシが特徴です。MGAはアメリカの数多くのレースに参戦し、優勝を勝ち取ってきただけでなく、ビンテージカーレースにも数多く出場しました。ビンテージカーレース界において、MGA のドライバーとしてはケント・パーサーが知られおり、1980年代から2000年代にかけて何度も優勝を繰り返し、さらに出場した車の中で、MGAが最も古い車種だったこともたびたびでした。

MGAロードスターはMG TFミジェットの後継車

 

この投稿をInstagramで見る

 

MGA Lifestyle(@mgalifestyle)がシェアした投稿

発売当初の広告で「新シリーズの始まり」と表現されたMGAは、MGのTFミジェットファンにとっては衝撃的とも言えるほど大幅にデザインが変更されていました。最後の箱型車と呼ばれたTFまでとは一線を画す、流線型のスタイルとモダンな雰囲気は、熱狂的な歓迎を受け、1962年7月にMGAシリーズの全ての販売終了までに、トータル101,081台が生産されました。MGA最初のモデルであるロードスターの最高速度は150km/時、0-100km加速は16秒でした。

サイドボディにフェンダーが突き出ることのないフルワイズ・フラッシュサイドのすっきりとした造形、スリムになった幅と低くなった車高が、シンプルでモダンな印象を与えます。車体の構造はラダーフレームにスチールボディが組み合わされています。

1.5LのOHV直列4気筒H4ツインキャブレターエンジン(最大出力 68hp/5,500rpm、最大トルク77 ft-lb/3500 rpm)を搭載。全タイヤにアメリカの航空エンジニア、マルコム・ロッキードが発明したロッキード・ハイドロリック・ドラムブレーキ(液圧ブレーキ)が採用されていました。

※※※※※※※※

マルコム・ロッキードは1976年(昭和51年)、世界的な大スキャンダルとなった汚職事件、ロッキード 事件の大元、ロッキード社の創始者メンバーです。彼はアイルランド系アメリカ人で、マルコム・ローグヒート(Lougheet)というのが本名ですが、アメリカ人にとってはアイルランド風の発音が困難で、正しく呼んでもらえないために混乱が生じ、あえて「ロッキード」と称するようになりました。

飛行機に魅了されたロッキード家のビクター、マルコム、アランの3兄弟は1911年、サンフランシスコに倉庫を借り、水上機の制作を始め、翌1912年に牽引式水上機を完成させました。パイロットの他に同乗者二人を乗せることが可能であった点、また最高速度が100kmを超えた点が高い評価を得ました。

その後、1914年に第一次世界大戦をきっかけにアメリカの航空産業は大きく発展し、ロッキード兄弟も1916年、カリフォルニア州にルーグヒード航空機製作所を設立します。しかし第一次世界大戦後には、戦闘機の需要が止まり、やがてルーグヒード航空機製作所は解散しました。この後、次男のマルコム・ロッキードは航空業界から自動車業界に転身し、MGA にも採用されたハイドロリック・ドラムブレーキを開発しました。

※※※※※※※※

MGA1500 クーペモデル 1956

 

この投稿をInstagramで見る

 

Benjamin Ree(@mrree75)がシェアした投稿

翌1956年、フィックスドヘッドクーペが追加されます。エンジンは72hp/5,500 rpm にアップグレードされ、MGAコンバーチブルとMGAクーペの総生産台数は58,750台に達しました。ワイヤースポークホイールとスチールディスクホイールのオプションがあり、ハンドルにはラック・アンド・ピニオン方式が採られました。さらに手回し式ウィンドー、ヒンジ留めの三角窓、MGAコンバーチブルより格段に大きくなったウィンドスクリーンがクーペモデル の特徴です。また、MGAコンバーチブルにはドアを開けるためのドアノブが付けられていませんでしたが、クーペモデルには、ドアノブが装着されました。

※ラック・アンド・ピニオン方式とは、最もよく用いられるステアリング方式の一つです。作りは非常にシンプルで、ハンドルを回すことで、ハンドルから伸びる小さな歯車(ピニオン)が回り、ピニオンに連動して歯車のついたバー(ラック)が左右に動き、ラックの動きがタイヤの方向を変えるという仕組みです。

MGA Twin Cam モデル1958

 

この投稿をInstagramで見る

 

Mrgc64??(@mrgc64)がシェアした投稿

1958年には、ツインカムモデルが発売されます。このモデルにはBシリーズのDOHCアルミシリンダエンジンが搭載され、圧縮率9.9:1、最大出力108hp /6,700 rpm を記録しましたが、エンジンに問題が起き、後に100hpのエンジンに置き換えられました。フロントにはソリッドのディスクブレーキが装備され、1960年までに2,111台が製造されました。ダンロップ製のディスクブレーキとともにダンロップのペグドライブスチールホイールを採用。それ以外のエクステリアの特徴としては、’TWIN CAM’のロゴがボンネットの空気孔の横に付けられています。ただエンジントラブルについての噂が広がり、売り上げに影響を与えました。コンプレッサーの交換により、エンジンの問題はほぼ解決しましたが、評判の回復には至りませんでした。

1958年の雑誌「ザ・モーター」の発表によると、最高速度172km/時、0-100km加速は11.1秒、燃費はリッター9.8kmでした。

MGA1600MGA、1600 デラックス

続いて1959年にMGA1600が発売になります。3年足らずの間に31,501台が生産されました。1.6LOHVのBシリーズエンジン、最高出力78 hp/ 5,500 rpm、最高速度は163km。フロントにはディスクブレーキが採用されましたが、リアブレーキはドラムのままでした。

外見上はMGA1500と大きく変わらず、フロントの方向指示器は白かアンバー、リアの方向指示器とストップライトはそれぞれ独立しており、トランク部分に「1600」のロゴがあります。

MGA1600デラックスはフロントにディスクブレーキが採用されました。1959年から1960年で、70台のロードスターと12台のクーペが製造されました。

MGA マーク2、マーク2 デラックス 1961

 

この投稿をInstagramで見る

 

Little Audrey 1956 Roadster(@little_audrey_mga)がシェアした投稿

1961年にはMGA マークⅡが発売されます。1622ccBシリーズエンジンとボアサイズの拡大(75.4mm から76.2mmへ)により、92hp / 5,500 rpm とパワーアップしました。さらにシリンダーヘッドも拡大、燃焼室が改良され、圧縮比率は4:1になり、より安定した高速走行が実現しました。フロントグリルが内側に配置され、リアに垂直に付けられたテールライトが特徴です。MGA マークⅡは8,198台のロードスターと521台のクーペが、マーク Ⅱ デラックスではロードスターが290台、クーペタイプは23台が製造されました。

1961年、雑誌「ロードアンドトラック」によるとMGA マークⅡは0-60km/h加速、12.8秒でした。

MGAロードスターのスペック詳細

エンジン:1,466cc 直列4気筒OHVツインキャブレター
最高出力:68 hp / 5,500 rpm
最大トルク:77 ft-lb / 3,500 rpm
最高速度:150 km / h
0−100km/h加速:16.0 秒
ボディサイズ:全長 3,962 mm、 全幅 1,473mm、 全高1,270mm
車両重量:890 kg
駆動方式:FR
トランスミッション:4速MT
乗車定員:2人

MGA1500 クーペモデルのスペック詳細

エンジン:1,489cc 直列4気筒インターナル·コンバッション
最高出力:72 hp / 5,500 rpm
最大トルク:77 ft-lb / 3,500 rpm
最高速度:160 km / h
0−100km/h加速:15.5 秒
ボディサイズ:全長 3,962 mm、 全幅 1,473mm、 全高1,270mm
車両重量:890 kg
駆動方式:FR
トランスミッション:4速MT
乗車定員:2人

MGA Twin Cam モデル1958のスペック詳細

エンジン:1,588cc 直列4気筒DOHC
最高出力:108 hp / 6,700 rpm
最大トルク:104 ft-lb / 4,500 rpm
最高速度:172 km / h
0−100km/h加速:11.1 秒
ボディサイズ:全長 3,962 mm、 全幅 1,454mm、 全高1,270mm
車両重量:960 kg
駆動方式:FR
トランスミッション:4速MT
乗車定員:2人

MGA1600のスペック詳細

エンジン:1,588cc 直列4気筒DOHC
最高出力:78 hp / 5,500 rpm
最大トルク: ft-lb / rpm
最高速度:163 km / h
0−100km/h加速:14.7 秒
ボディサイズ:全長 3,962 mm、 全幅 1,473mm、 全高1,270mm
車両重量:930 kg
駆動方式:FR
トランスミッション:4速MT
乗車定員:2人

MGA マークⅡのスペック詳細

エンジン:1,622cc 直列4気筒DOHC
最高出力:92 hp / 5,500 rpm
最大トルク: 97 ft-lb / 4,000 rpm
最高速度:165 km / h
0−100km/h加速:14.0 秒
ボディサイズ:全長 3,962 mm、 全幅 1,473mm、 全高1,270mm
車両重量:935 kg
駆動方式:FR
トランスミッション:4速MT
乗車定員:2人

出典:https://en.wikipedia.org/wiki/MG_MGA

Classcaの新着情報をお知らせします