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【ロータス・ヨーロッパS】ロータス史上総生産台数最小のモデル

ロータス・ヨーロッパSの概要

ロータス ヨーロッパS
出典:wikipedia

ロータス・ヨーロッパSが発表されたのは2006年9月です。1966年から1975年まで製造され、マンガ『サーキットの狼』の主人公・風吹裕矢の愛車として知られるスポーツカー、ロータス・ヨーロッパとは、モデル名だけが共通しています。

ロータス・ヨーロッパSは2000年に発売されたロータス・エキシージの上位モデルで、タイプナンバーは121、ビジネスクラスのグランツーリスモと位置付けられています。ベースとなったのはロータス・エリーゼ。発売当時のキャッチコピーは「ビジネスクラス・バイ・ロータス」でした。

ロータス・ヨーロッパSはトランクの収納容量が大きく、シャーシが低く、ルーフラインが高くなったことにより乗り降りが比較的容易であると言われます。ロータス・エリーゼと比較するとエンジン音は控え目になりました。また、エアコンやサウンドシステム、パワーウィンドー、SRSデュアルエアバッグシステム、レザー貼りのインテリアや高
品質のカーペットが標準装備されています。これらの特性を見るとロータス・ヨーロッパSが、グランツーリスモとしての特徴を有し、実用性と洗練を高いレベルで兼ね備えていることが分かるでしょう。

ロータス・ヨーロッパSは上記のようなグランツーリスモ色を十分に打ち出しながら、ミッドシップエンジンに後輪駆動、アルミ製押し出し材のシャーシにFRPボディを組み合わせるロータスの伝統はしっかりと守っています。さらに車重は995kgと、ロータス社の他のモデルに比較すると重量を増していると言わざるを得ませんが、絶対的な重量としては、軽量と呼ばれる範囲におさめられました。

また重量が1,000kgを切り排気量は1,998ccなので、自動車税は普通車と変わりません。アメリカとカナダの排気量規制値を満たしていなかったため、北米への輸出はありませんでした。

ロータス・ヨーロッパSの総生産台数は456台と、そもそも希少性が高いモデルではありますが、アメリカ、カナダでの販売がなかったことから、わずかに存在する左ハンドルモデルは幻のモデルであると言えるかも知れません。

ロータス・ヨーロッパSのエンジン

実用と洗練を同時に実現したロータス・ヨーロッパSでしたが、残念なが人気を集めることはありませんでした。そのため、発表から2年後の2008年にはエンジンを改良したロータス・ヨーロッパSEが登場しました。ここでは、ロータス・ヨーロッパSとヨーロッパSEの詳細をご紹介します。

ロータス・ヨーロッパS

ロータス・ヨーロッパSのエンジンはGM製1,998cc直列4気筒ターボのエコテックZ20LERエンジンです。エコテックエンジンは、もともとドイツの自動車メーカー、オペル社が1970年代に開発した直列4気筒ピストンエンジンで、1980年代にはGM社のメインのエンジンとして活躍しました。主な特徴としては、キャストアイロンブロック、アルミ製のヘッド、タイミングベルトです。

最高出力197hp/5,400rpm・最大トルク201 ft-lb /5,000rpmで、6速MTでの動力性能は最高速度230km/時、0-100km加速5.7sでした。

ヨーロッパSのボディは兄弟車ロータス・エキシージと比べ、全長は長くなり、全高が高くなっています。

ロータス・ヨーロッパSE

ロータス・ヨーロッパSEのエンジンは、ロータス・ヨーロッパSと同じくGM製1,998cc直列4気筒ターボのエコテックZ20LERエンジンが搭載されましたが、ターボチャージャー、コンプレッサーの効率、エンジンコントロールユニット、スパークプラグが改善されました。その結果、パワー、ハンドリング性能ともに改良されたとの評価を得ています。

オペル・スピードスター

オペル・スピードスターが発表されたのは、1999年にイタリア、ジェノバで開催されたモーターショーでのことです。オペルはドイツの自動車メーカーで、スピードスターはオペル社の自動車生産100周年を記念して作られたタルガトップのミッドシップ2シータ・スポーツカーです。イギリスでは、ボクスホール・VX220、アジアではデーウー・スピードスターとして販売されました。

オペル・スピードスターはロータス・ヨーロッパS同様、ロータス・エリーゼをベースに作られ、ロータス・カーズのヘセル工場で、エリーゼと同じラインで製造されました。ただし、オペル・スピードスターはロータス・ヨーロッパSよりもホイールベースが長く、リアの幅が広くなっています。またパーツの共有も8%にとどまっており、バッジエンジニアリングとは一線を画すとされています。

オペル・スピードスターに搭載されているのは、オペル・アストラと同様2.198ccのエコテックエンジンで、これはオペル・アストラクーペから流用されたものです。最大出力145hp/5,800rpm 最大トルク150fl-lb/4,000rpm、最高速度217km/時、0-100km加速は5.9秒です。

スピードスターに採用されたタルガトップは、オープンカーほどの開放感はありませんが、サンルーフよりも多く外気を感じることができます。1960年代に登場し、70年代まで人気を集めました。タルガトップのタルガはイタリア語で「平板、板材、板金」を表します。

タルガトップの登場は、アメリカで厳格化された法律により、オープンスタイルのモデルが安全上の理由で禁止されるのではないかとの予想に対応したものです。

タルガトップはポルシェ・911のオープンモデルとして有名ですが、最初にこのスタイルを採用したモデルはイタリアの自動車デザイナー、ジョバンニ・ミケロッティによるフィアット1200の限定モデルです。

ロータス・ヘセル工場

ロータス・ヨーロッパSとオペル・スピードスターが製造されたのは、ロータス・カーズのヘセル工場です。ヘセル工場はもともと第二次世界大戦中にイギリスとアメリカの航空部隊の基地として使用されていました。戦後しばらくの間、家をなくした人々の仮住まいとして使われたあと、1966年からロータス・カーズが占有しています。飛行機の滑走路をテストドライブをする際のトラックとして使うなど、有効利用されてきました。

1982年に創業者コーリン・チャップマンが亡くなってからのロータス・カーズは経営が悪化し、1986年にはGM、1993年にブガッティを所有するロマーノ・アルティオーリ、1996年にはマレーシアのプロトン傘下となるなど、不安定な状態が続きました。チャップマンの死から13年後の1995年に発売されたロータス・エリーゼの成功により、ロータス・カーズの長い経営難は終焉を迎えます。

オペル・スピードスターが製造開始されたのはその6年後、2001年です。手狭になったヘセル工場を拡大し、生産可能台数を10,000台と拡大しました。ロータス・ヨーロッパSの発売は、それからさらに5年後のことです。

ロータス・カーズは2017年から中国の吉利汽車(ジーリー)傘下となっていますが、ヘセル工場は現在でもロータス・カーズの拠点として、操業が続けられています。

スペック詳細

ロータス・ヨーロッパSのスペック詳細

エンジン:1,998cc直列4気筒DOHC
最高出力:197 hp / 5,400 rpm
最大トルク:201 ft-lb / 5,000rpm
最高速度: 230km / h
0−100km/h加速:5.7秒
ボディサイズ:全長 3,900mm、 全幅 1,714mm、 全高 1,120mm
車両重量: 995kg
駆動方式:MR
トランスミッション:6速MT
乗車定員:2人
新車時車両価格:-

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