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【ロータス・ヨーロッパ】マンガ『サーキットの狼』主人公・風吹裕矢の愛車

ロータス・ヨーロッパ・シリーズ1、シリーズ2

ロータス・ヨーロッパ・シリーズ1が登場したのは1966年です。シリーズ1は、ロータス社初のミッドシップエンジンモデルで、ロータス・セブンの後継と位置付けられています。

タイプナンバー46のロータス・ヨーロッパの特徴はとにかく車高が低く、全体的にサイズが小さい点であると言えるでしょう。ただし、リアウィンドウの両サイドには大きなフィンが見られます。

英語で「ヨーロッパ」は「Europe」と表記され、最後が 「e」ですが、ロータス・ヨーロッパの正式な表記は、「Lotus Europa」で、最後が 「a」となっています。この理由はヨーロッパ・シリーズ1が欧州をターゲットとしており、ほとんどの欧州の言語では、「ヨーロッパ」を「Europa」と表記するためです。

同様の理由で、左側通行を採用しているイギリスメーカーのモデルであるにも関わらず、シリーズ1は左ハンドル仕様のモデルのみで、右ハンドルのモデルは存在しません。

ロータスの創始者、コーリン・チャップマンは、ロータス・ヨーロッパ・シリーズ1を軽量かつ安価とすることを目標に開発しました。シリーズ1では快適性をあきらめ、ウィンドウを固定とし、内装やカーペットなどの遮音材を徹底的に排除するなどした結果、重量を610kgに抑えることに成功しています。

軽量化を追求したのと同時に、空気抵抗を研究し尽くし、空気抵抗係数は0.29になりました。エンジンはルノー16から流用された1.5Lの直列4気筒OHVですが、軽量化されたボディと空気抵抗係数の低さが功を奏し、ヨーロッパ・シリーズ1の最高速度は185-190kmを誇っていました。総生産台数は650台です。

ロータス・ヨーロッパ・シリーズ1発表の2年後、1968年4月にロータス・ヨーロッパ・シリーズ2が発売となりました。

軽量化を至上命題としたシリーズ1に比較して50kgほど重量を増しましたが、固定式だったウィンドウが電動式になり、ラジオが標準装備となるなど、快適性への配慮が見られるモデルとなりました。

シリーズ1はヨーロッパのみの販売でしたが、シリーズ2は1969年からイギリスでも販売開始されます。

シリーズ2にはタイプナンバー54と65が存在し、タイプナンバー65では、フロントのデザインに変更が加えられました。

また、シリーズ1ではシャシーに接着されていたFRP製のボディが、シリーズ2ではボルトでの固定となっています。

ロータス・ヨーロッパ・ツインカム、スペシャル

シリーズ2からイギリスでも販売開始となったロータス・ヨーロッパでしたが、イギリスではパワー不足との声が多く、購入後のチューンナップが後をたちませんでした。

この状況を受けて、1971年に発表されたのが、タイプナンバー74のロータス・ヨーロッパ・ツインカムです。ロータス・ヨーロッパのシリーズ1と2では安価なミッドシップカーというテーマを掲げていましたが、ツインカムからテーマを高性能なGTカーとし、ロータス・エランの1,558cc直列4気筒DOHCエンジンを搭載しました。

ロータス・ヨーロッパ・ツインカムでは、シリーズ1、2の特徴であった、リアウィンドウの両サイドにあったフィンが姿を消しています。これは、アメリカの安全基準に対応するためで、後方視野の改善が目的でした。

ロータス・ヨーロッパの最終シリーズとなるヨーロッパ・スペシャルが登場したのが1972年です。合計で3,130台が製造されました。

ヨーロッパ・スペシャルは、9年間に製造されたロータス・ヨーロッパシリーズの市販モデル中、最高出力かつ最速のモデルとなっています。最高出力124hp/6,500rpm、最高速度210km/時、トランスミッションは5速MT。

車重は712kgと、ヨーロッパ歴代モデルとしては最も重くなったものの、快適性とエンジン性能を追求しても1,000kgをはるかに下回っています。これは、ロータス・ヨーロッパの最初期モデルが、コーリン・チャップマンの軽量であることを目指す哲学を、極限まで追求していたことを示していると言えるでしょう。

1970年代に大ヒットした、池沢早人師著のマンガに『サーキットの狼』があります。主人公、風吹裕矢の愛車はこの、ロータス・ヨーロッパのシリーズ4にあたるロータス・ヨーロッパ・スペシャルです。

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サーキットの狼ミュージアム

茨城県にある「サーキットの狼ミュージアム」をご存知でしょうか。『サーキットの狼』の著者、池沢早人師氏の漫画家デビュー40周年記念の一環として開館し、館内に全長約280mのデモ走行用コースが併設されています。

「サーキットの狼ミュージアム」には、ロータス・ヨーロッパ・スペシャルを初め、ポルシェ・カレラRS2.7、フェラーリ・ディノ246GT、ランボルギーニ・カウンタック、トヨタ・2000GTなどが展示されています。

参考:池沢早人師サーキットの狼ミュージアム

ロータス・タイプ47

1966年から1970年に60台前後が製造されたとされるロータス・47は、「ヨーロッパ」の名称が入っていませんが、ロータス・ヨーロッパをベースに作られたレーシングモデルです。

外観を見ると、ロータス・ヨーロッパ・シリーズ1と変わりがありませんが、ロータス・タイプ47は、れっきとしたレーシングカーです。軽量化を目指したヨーロッパのボディをさらに軽くするべくパネルを薄くし、エンジンはロータスのフォーミュラカーに採用された1,594ccロータス・フォード・ツインカムエンジンをベースにした、コースワースMK13ドライサンプエンジンを搭載しました。

ロータス・ヨーロッパのデザイナー、ロン・ヒックマン

ロータス・ヨーロッパをデザインしたのは、1932年生まれ、南アフリカ出身のロン・ヒックマンです。自動車デザイナーであると同時に、ブラック・アンド・デッカーというアメリカの電動工具を製造販売するメーカーで、ワークメイトと呼ばれる家庭用作業台を発明したことで知られています。

ロン・ヒックマンは、祖国南アフリカで法律を学びましたが、長年抱いていた車への情熱に従い、1954年にイギリスに渡りました。渡英後すぐの短期間、音楽業界に身を置きましたが、程なくしてフォード社でデザインを担当するようになりました。

渡英から2年後、1956年にロンドンのアールズコートで開催されたモーターショーでコーリン・チャップマンと出会います。さらにその3年後、ロン・ヒックマンはチャップマンが新たに立ち上げた会社に入社。プロダクション・エンジニア兼ジェネラル・マネージャーとなりました。在職中ヒックマンは、ロータス・ヨーロッパの他、エラン、エラン+2のデザインを手がけます。

ロン・ヒックマンは2011年、79才で亡くなりました。彼の死後、妻ヘレン・ヒックマンはイギリス・ハンプシャーにあるナショナル・モーターミュージアムトラストに、100点以上に及ぶ車のスケッチやコンセプト画、写真、種類などのコレクションを寄贈しました。

スペック詳細

ロータス・ヨーロッパ・シリーズ1のスペック詳細

エンジン:1,470cc直列4気筒OHV
最高出力:77 hp / 6,500 rpm
最大トルク:103 ft-lb / 4,000rpm
最高速度: 180km / h
0−100km/h加速:9.6秒
ボディサイズ:全長 3,975mm、 全幅 1,638mm、 全高 1,067mm
車両重量: 610kg
駆動方式:MR
トランスミッション:5速MT
乗車定員:2人
新車時車両価格:-

ロータス・ヨーロッパ・スペシャルのスペック詳細

エンジン:1,558cc直列4気筒DOHC
最高出力:124 hp / 6,500 rpm
最大トルク:113 ft-lb / 5,500rpm
最高速度: 210km / h
0−100km/h加速:7.2秒
ボディサイズ:全長 3,986mm、 全幅 1,638mm、 全高 1,079mm
車両重量: 730kg
駆動方式:MR
トランスミッション:5速MT
乗車定員:2人
新車時車両価格:-

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