“生活の彩りとしてクルマを楽しむ” をコンセプトに、ローバーミニを中心としたクラシックカーの修理・販売を行うClassca(クラスカ)。そんな私たちがいま注目をしているのが、ビンテージカーやクラシックカーを電気自動車へと改造した「コンバートEV」です。
コンバートとは英語で「転換」という意味で、ガソリン自動車を電気自動車へと改造したコンバートEVは環境に良いことはもちろん、倉庫に眠っていた旧車を “普段乗りできるクルマ” へと変身させる方法として、いま様々なメディアで特集が組まれるなど非常に注目を集めています。
そこで今回は、クラシックカー コンバートEVの先駆けとも言えるOZ MOTORS(神奈川県横浜市)の古川治さんに、コンバートEVの魅力やメリット、またローバーミニならではコンバートEVの面白さなどについて伺いました。
「長年倉庫に眠っていたクルマが動き出す」コンバートEVによって普段乗りできるクルマへ
―― クラシックカーを中心としたコンバートEV事業を8年以上行われているOZ MOTORSさんですが、コンバートEVをお求めになるお客様はどういった方が多いですか?
倉庫に眠っている旧車を捨てようか悩んでいる、というお客様からのニーズがいまは一番多いですね。あとは、お父様が乗っていたクルマを譲り受けたけど、親のメンテナンスの苦労を見て知っているからメンテナンスフリーで乗れるようにしたい、といった方からコンバートEVにしたいというご要望もあります。
やはり、クラシックカーは当時のテクノロジーで止まっているので、現行のクルマに比べればもちろんトラブルは起きやすいんですね。そのため、倉庫にずっと眠っているというクルマが多いということが実情だと思います。
OZ MOTORS 古川治さん
しかし、いまは北海道や兵庫など全国各地からお問い合わせをいただいているのですが、コンバートEV化された自分のクルマを見て、みなさん感動されていますよ。10年以上も倉庫に眠っていたクルマが、スゥーッと、しかも音を立てずに動くようになるんですからね。不思議な感じだと思います。
80年代以前のクルマというのはデザインも個性的で、クルマがファッションだったわけです。しかし排ガスの問題から環境規制で、そういったクルマがどんどんなくなっていき、移動するためのクルマばかりになってしまいました。
だけども、そういった昔のファッションとしてのクルマが、いまの環境基準に適して乗れるというのは、とてもすごいことだと思うんですね。
コンバートEVというのは、そういったクルマの延命処置みたいなもの。しかも電気自動車というのは、”バッテリーの進化” という観点からアップデートの可能性があるわけです。
今後のテクノロジーの進化によって航続距離はどんどん伸びていくでしょうし、50年前のクルマがバッテリーのアップデートを繰り返し100年、150年と延命できるというのは、とてもすごいことだと思います。
―― 古川さんが考える、クラシックカー コンバートEVの魅力とはどういったところにあるとお考えですか?
クラシックカーって、走っている時間よりも置いてある時間の方が多いクルマです。なぜなら、普段乗りがなかなか難しいからなんですよね。外で走っていてエンジントラブルで止まってしまった、なんて普段乗りで起きてしまったら嫌じゃないですか。
しかしコンバートEVにすることで、クラシックカーが出先でのエンジントラブルに悩まされることもなく、普段乗りができるクルマになるというのは、とても魅力だなと。
たとえば50馬力とかのビートルが、コンバートEVになることによって100馬力にしたりすることもできます。それまではエンジンが止まるのを気にして左車線しか走っていなかったのが、コンバートEVでは右車線を走れるようになるわけです。
見かけが遅そうなビートルが加速して右車線を走っている、というのが普通にできるようになりますから面白いですよね。クルマのパワーは運転のストレスに直結すると思っていて、加速したいときに加速できるというのは、とても魅力的だなと思います。
「コンバートEVに一番賛同してくれるのは奥さま」ファッションとして地球環境に貢献できるというのも人気のポイント
―― クラシックカーのコンバートEVの利点は何かありますか?
エンジン自動車のときに必要だったメンテナンスから開放される、維持費が安くなるといったことも挙げられますが、CO2を出さない、排気ガスを出さないなど環境負荷が少ないということが大きなメリットだと考えています。
極端な話、クルマというのは環境に良くないものなわけです。もともとOZ MOTORSでは、サスペンションやマフラーなどのアフターパーツの販売などを行っていたのですが、自動車メーカーは環境問題に向き合っているのに対して、アフターパーツというのは環境に悪いものが多いんですね。
そこで環境に良いアフターパーツとは?というのを突き詰めた結果、OZ MOTORSがはじめたのがコンバートEV事業でした。
いまの時代、みなさんが心のどこかで「地球を汚している」という感覚があると思いますし、うすうす気づいていると思うんですね。
そしてクラシックカーは旧車である以上、自動車税、重量税、さらに重課税されますよね。だけどもコンバートEVであれば、どんなに古いクルマでもエコカーという税法上の扱いになります。アメ車だってコンバートEVになればエコカーですからね。日産リーフと同じ税率になるわけです(笑)。
なので、ご夫婦、ご家族の場合、普通はクルマを買うというときってご主人が主導で奥さまをどうにかこうにか納得させるというシーンが多いと思うのですが、電気自動車やコンバートEVの購入の場合、一番賛同してくださるのって実は奥さまだったりするんですよ。
特に、お子さんがいれば将来の環境問題のことを気にされる方は多いと思うのですが、実際に電気自動車に乗られてみると、乗り心地はいいし、静かですし、環境にも良いということで、奥さまもお子さんも「このクルマいいね」となるんです。
しかもクラシックカーのコンバートEVであれば、映画に出てくるクルマに乗れるわけですから、ファッションとして地球環境にも貢献できるという点も人気なポイントですね。
ローバーミニならではのコンバートEVの魅力とは?「コミュニケーションが増えるクルマになりますよ」
―― ClasscaでもローバーミニのコンバートEVに注目をしているのですが、古川さんが考える「ローバーミニならではのコンバートEVの魅力」はなんだと思いますか?
いまのクルマに慣れている方からすると、ローバーミニの振動や音というのが気になる方もいらっしゃるかもしれません。しかしコンバートEVであれば、ローバーミニの可愛らしさそのままに、また新しい乗り味を楽しめることが魅力です。
たとえば、ローバーミニの持ち味であるゴーカートフィーリングが、EV化によってより強まるのも面白いですよね。ハンドリングが楽しくなって、運転が楽しくなるなと。上り坂や追い越し車線などで加速したいときも、ローバーミニとは思えない加速をするから面白いですよ(笑)。
ただ一番大きいのは、ローバーミニのあの狭さの楽しみ方が広がることじゃないでしょうか。コンバートEVになることで音や振動というのが軽減されますので、運転中の会話も弾むでしょう。もともと乗っている人たちの距離感が近いローバーミニですが、コンバートEVになればより距離感の縮まる空間になるわけです。
例えば出先で、充電中のちょっとしたひとときに、コーヒーでも飲んで会話したりしてもいいじゃないですか。クルマが1つのコミュニティになる、それがローバーミニをコンバートEVにする最大の魅力だなと思います。
コンバートEV 試乗MOVIE
動画でコンバートEVをご覧いただけます。
「ローバーミニをコンバートEVで楽しむ」
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Classca × OZ MOTORSでお好みの一台に仕上げます。