今回は、ローバーミニの納車前点検整備の様子をご紹介します。テーマは、ミニがもっともオイル漏れを起こしやすい箇所の整備です。
ミニに長く乗るうえで、オイル漏れはどうしても付き合っていく相手です。中でも定番の漏れ箇所を、納車前にきちんと処理しておくことで、その後の安心感が大きく変わってきます。Classcaではどの車両でも必ず行う、定番の整備メニューです。
詳細はこちらのyoutubeでご覧ください▼
ミニ定番のオイル漏れ、その震源地へ

今外しているのがクランクプーリー。この奥にあるオイルシールが、ミニでよくオイル漏れを起こす場所です。
ここからのオイル漏れは本当に多く、やらずに組んでしまえばまず間違いなく漏れてくる箇所。だからこそ、Classcaでは必ずやる項目に入れています。
今回替えるのは、この小さなパーツたち

今回の作業は、スライダーパッド(テンショナーのパッド)を交換し、外したカバーのオイルシールを打ち替えて組み付ける、という流れになります。
クランクシャフトとカムシャフトをつなぐタイミングチェーン部分は、カムシャフトを動かしている大切な連結部。ここにチェーンテンショナーが入っていて、外すと擦れた跡が出てきます。

今回のものは、まだ比較的きれいな状態でした。走行の程度にもよりますが、この程度の摩耗なら優秀な部類。減ってくるとパキンと割れてしまうこともあり、深く傷んでいるものも珍しくありません。

ちなみにこのテンショナー、車両価格に対しての部品代を考えても、交換しておく価値は十分にあります。
「漏れ止め剤」って、使っていいの?
軽度のオイル漏れであれば、オイルストッパー(漏れ止め添加剤)で一旦様子を見る方法もあります。ある意味、応急処置としての手段です。
ただし注意が必要で、マニュアルミッション(MT)には入れても大きな問題は出にくいのですが、オートマ(AT)には基本的に入れられません。
内部にブレーキバンド / クラッチのような機構があり、添加剤が悪影響を及ぼす可能性があるためです。ATでオイル漏れが起きている場合は、添加剤に頼らず、きちんと整備してあげた方が安心です。
ここからが本番。シールを打ち替える

ここからが本題。ガスケットを外して合わせ面をきれいに清掃し、反対側も清掃。古いシールを抜いて、新品のシールを打ち替えてから組み付けます。
組み付けで注意したいのが、チェーンの遊びです。遊びがある状態のまま、ぎゅっと締め込むとチェーンがずれて、バルブタイミングが変わってしまいます。遊びを正しく詰めてから締め付けるのがポイントです。

適切なトルクで締め付けの管理。ミニの部品にしては珍しく親切な設計で、プレートには「F(フロント=前向き)」の刻印まで入っています。部品の向きを間違えないための表示です。基本的には不親切な部品が多いミニだけに、こういう親切さは逆に新鮮です。
チェーンテンショナーは、1980年以降採用され最終まで使われた機構です。シングルチェーンのミニに取り付けられていました。
液体ガスケットは乾く前に。時間との勝負

シールを組む前に、初期あたりを良くするためシリコングリスを軽く塗布。ここからは時間との勝負です。
日本では合わせ面に液体ガスケットを塗ることが多く、この丁寧さはやはり日本人らしい仕事の細かさ。速乾性のものを使うことが多いので、気温の高い時期はできるところから手早く進めていきます。
こうした作業は、やること自体が自分の勉強にもなります。手を動かしながら、一つひとつ確実に仕上げていきます。
<2>すべてを組み上げて、ひと安心

あとは取り付け。ここからがまたシビアな作業です。
年式によって装備が異なり、純正のきれいな電動ファンが付くようになる前は、ここに別の冷却系が入っていました。1991年あたりから、この仕様が切り替わっていったようです。

ベルトをぐるりと掛け、ウォーターポンプを組み付ければ完成です。
以上が、Classcaの通常作業として行っているオイル漏れ対策の整備です。
納車整備では、どのミニでも必ずここは手を入れております。
ミニと長く付き合っていくための、大切なひと手間です。
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