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「mini×観光」で新たな試み。乗る楽しさが、新たな観光資源を産む可能性

福島県喜多方市を舞台に行われたminiのレンタカーサービス。classcaを含める4社が協働し、2022年9月から11月の期間限定で提供しました。miniは、ゴーカートフィーリングとも呼ばれる独特な運転の楽しさがあります。miniでのんびり走る旅は、景色も普段と違って見えるもの。
乗る楽しさという視点から、miniのドライブで新たな観光のカタチを作れないか、喜多方市を舞台に期間限定でレンタルサービスを行いました。

福島県喜多方市のmini旅

福島県喜多方市には、“ツウ”な観光スポットが盛りだくさん。喜多方ラーメンの人気店には全国からファンが訪れ、店前には早朝から列をなします。町中に存在する4,000棟余の「蔵」は人気のフォトスポットで、ゆっくり歩いてめぐるのがおすすめ。特に中心部の蔵通りは迫力満点です。磐梯山、裏磐梯など自然にも恵まれています。
そんな喜多方市の観光とminiを掛け合わせたプロジェクトの実現にご協力いただいた地元企業の皆様にお話を伺いました。

mini旅 in 喜多方のムービー

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喜多方ワーケーション推進協議会
秋山綾子さん(写真右)
喜多方ワーケーション推進協議会 幹事長。一般社団法人日本ポジティブヘルス協会代表理事。2020年7月、17年ぶりにUターンし、「心臓ヨガ®︎」にまつわる講演やワーケーション推進に取り組んでいる。

有限会社5.SHES
鈴木治代さん(写真左)
有限会社5.SHES 取締役社長。結婚を機に福島県内から喜多方に移住し、荒川産業株式会社に就職。のちに子会社のガソリンスタンド「山庄商店」を任され、以降さまざまなジャンルのビジネスに取り組んできた。

mini旅は歩くような感覚でゆっくり町をみてもらえる

ーーclasscaはずっと前からレンタカーに挑戦したいと思っていたけど、実現のきっかけになったのは綾子さんとの雑談でしたね。「喜多方でやろうよ!」と言ってくれました。

綾子さん:miniのレンタカーというユニークなサービスが、喜多方を訪れる人への良い提案となるだろうと考えました。私はUターンして以降、喜多方のウェルビーイングをあげる活動を続けています。その手段の一つが観光の手段を増やすことです。喜多方を楽しむ選択肢を増やすことは、町全体のウェルビーイングをあげることに繋がるという考えから、ウェルネスツーリズムやワーケーションの推進に取り組んできました。普通の観光をして帰るのもいいけれど、ウェルネスツーリズムで心と体を健康にして帰ってもらうのがいいかもしれないし、ワーケーションとして滞在するのが向いている人もいるかもしれません。全て、一人一人が自分らしく在るための選択肢です。観光にminiを絡めれば、喜多方での過ごし方の選択肢が一つ増えると考えました。

ーー喜多方を盛り上げる手段は、mini以外にもいろいろな可能性があったと思います。それでもminiに着目してくれたのはどうしてですか?

綾子さん:喜多方は豊かな自然や歴史があるので、ドライブがとても楽しい地域です。町中に点在する蔵の前でminiの写真を撮ればものすごくマッチするし、細い道や裏通りを覗けば生活の気配も感じられる。ゆっくりじっくり巡ってほしいけど、歩いて回ってる人はほとんどいません。miniは車高が低く地べたを這うゴーカートのような乗り心地ですから、歩くような感覚でゆっくり町をみてもらえるのではないかと思いました。小さい車だからこそ走れるような道も楽しんでもらえるはずです。

そのような理想はあったものの、畑違いのレンタカーサービスは到底一人では実行できません。そこで、地域でガソリンスタンドを経営する治代さんにご相談させていただいたんです。

町のため、新しいことに挑戦したい

ーー治代さんはminiレンタカーの構想をはじめて聞いた時、どんな印象を持たれましたか?

治代さん:miniに馴染みがなかったから、どういう人がレンタカーを利用してくれるのか、あまり想像がついていませんでした。でも町の観光を盛り上げるための実験的な取り組みだと聞いて、それならぜひ協力したいと思ったんです。私は商魂丸出しに儲け話を持ちかけてくる人があまり得意ではなくて。事業をやるなら「お金のため」に動くべきなんだろうけれど、人のために何かをできることの方が私は楽しいんですよね。

ーー実際にレンタカーを利用したお客様からは、どんな反応がありましたか?

治代さん:50代くらいの夫婦は、「青春だった!」と興奮しながらお戻りになりましたよ。若い頃にminiに乗っていた二人に、息子さんからclasscaを紹介したそうです。昔の記憶がよみがえるようだったとおっしゃっていました。

実はMT車のminiはレンタカーに向かないのではと思っていたんです。今の時代、若い人はAT免許しか持っていないことが多いし、MT免許を持っていたとしてもほどんど運転していないケースもあります。他のお客様から「MT車しかないんですか?」というお問い合わせがあり、ご利用に至らないことがありました。でも実際にご利用いただいた方の表情をみると、ごく少数の人たちにとってはものすごく熱狂できる遊びなんだと感じました。miniは昔懐かしい記憶を呼び起こす力を持っているのだと思います。

ーー「mini 旅 in 福島県喜多方市」は、地域のためになるインパクトを残せたでしょうか?

綾子さん:ワーケーションという概念はまだまだ認知されていなくて、地道なご説明が必要です。「mini 旅 in 福島県喜多方市」のような話題が地元新聞で取り上げられることで、新しい動きに対して興味を持っていただけるきっかけを作れました。そういう意味で、地域の中と外が共創して新しいものを作り出す事例を作れたのは重要な一歩です。

治代さん:miniをお預かりしている間は、ガソリンスタンドに置かせていただいていました。目につく場所だったので、多くの人が「あのクルマはなに?」と気にしてくれていたようです。サービスが終了してminiが店頭から消えると「miniはいつ戻ってくるのか」と聞かれましたよ。それくらい人から注目されるクルマなんだと実感しました。

古いものを新しく作ることはできない。大切に使い続けることで価値が上がっていく

あづま屋旅館
齋藤琢磨さん
東京とアメリカで日本料理の修行をし、実家が営む​​喜多方のお宿「あづま旅館」を継ぐために地元にUターン。mini旅のプロモーション動画に出演してくれた。

ーー喜多方でminiに乗ってみたご感想をお聞かせいただけますか?

琢磨さん:喜多方には古い蔵がたくさんあって、特に蔵通りの周辺には写真映えするような建物が密集しています。普段から通っている道ではあるけれど、車高が低く疾走感を感じられるminiで走ると、アトラクションに乗っているような感覚になりました。ヨーロッパをバックパッカーしていた時に細い道を車が走っている景色を見たのを思い出しましたね。運転は大変だけれど、思い出として強く残っています。

ーー普段からMT車を運転することはありますか?

琢磨さん:軽トラにたまに乗るくらいですから、MTは不慣れです。ましてや海外の古いクルマなので不安はありました。でも、思ったよりすぐに慣れて、運転のストレスはなかったですね。でも一回だけ、片側通行の坂道でエンストしちゃいました。そういうアクシデントも楽しい思い出として記憶に残るのは、miniのような特別感のあるクルマならではかなと思います。

ーー琢磨さんが引き継いだあづま旅館は古民家を活用した宿泊施設ですね。どのような歴史があるのでしょうか?

琢磨さん:建物自体は140年前の古民家です。この辺りは遊郭が立ち並ぶ歓楽街だったので家の作り自体に特徴があります。細長く作られていたり、小さい部屋がたくさんあったり。喜多方にくる人は旅慣れている場合が多いので、珍しい構造に喜んでいただけることは多いですね。老朽化している部分はどんどん改修していきますが、なるべく昔の形を残し、古民家らしさを守っていきたいと思います。

ーー古民家らしさにこだわるのはなぜでしょうか?

琢磨さん:年配の方にとっては懐かしさを感じていただける空間だし、この民家が建てられた時代に生まれていなかった人にとっては新鮮な空間です。それってとても価値があることだと思うんですよね。新しいものはいくらでも付け足すことはできますが、古いものを新たに作ることはできません。残せば残すほど価値は上がるんです。それに、世の中は意外と新しいものばかりを求めてはいないと感じます。miniが多くの人に愛され続けてるのは、そういう強みがあるおかげかもしれませんね。

あづま旅館はこれからも、あるものをうまく生かしつつ、お客様には快適にお過ごしいただけるよう、営業を続けていきたいです。

短い期間でしたが、miniというクルマの可能性を改めて感じるレンタルサービスとなりました。miniが地域を元気にする仕掛けとなる、という面白い視点ですね。
歴史ある古民家も、歴史あるクルマも、残すことで新たな価値が創造できるのも素敵な共通点でした。
Classcaでは、miniが乗り継がれて、新たな楽しみ・喜びが生まれるきっかけをこれからも作っていきたいと思います。

喜多方市の皆様、ご協力ありがとうございました!

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