今回は、ローバーミニのラジアスアーム オーバーホールの様子をご紹介します。
詳細はこちらのyoutubeでご覧ください▼
ラジアスアームはリアサスペンションを支える重要な部品です。長年使用しているとベアリングやシャフトが摩耗し、異音やガタつき、乗り心地の悪化につながります。地味な部品ですが、ここの状態でミニの走りは大きく変わってきます。
ベースは1300インジェクション、1997年式。ミニの中では比較的新しいモデルです。
とはいえ、新しめのミニでもラジアスアームの構造自体は昔のものと共通。走っていれば砂やほこりが入り込み、内部は少しずつダメージを受けていきます。今回はその中身をすべて開けて、消耗した部品を新品に交換していきます。
まずは分解して状態チェック
ラジアスアームは、日頃のメンテナンスでグリスニップルからグリスを入れてやることで内部が保護されています。ニップルからグリスを注していくと、本来は反対側の隙間から古いグリスが「ムジュムジュ」と押し出されてくる。これが出てくるうちは、まだ内部が生きている状態です。

問題は、このグリスアップを怠ったまま乗り続けたとき。グリスが出てこなくなったり、手応えがゴツゴツしてきたら要注意で、内部のカラー(ブッシュ)が割れていることがあります。メンテナンスがされていたかどうかで、内部の傷み方はかなり変わってきます。
抜き出したベアリングを見ると、動きが悪くなったものはシャフトに独特の摩耗跡が残ります。今回のアームはまだそこまでガタが広がっておらず、比較的良い状態でした。前日に作業したもう一方の側は、跡がしっかり残っていて、もう少し進行していた印象です。

ブッシュの摩耗が進むとどうなるか
内部のブロンズブッシュは、放置するとすり減って鉄の下地が出てきます。こうなるとブロンズがなくなってしまっているので、金属同士が擦れて「かじり」が始まる。色が変わっているところが、まさにその症状です。

ここまで来ると、グリスを足すだけでは戻りません。一度きれいに洗浄し、リーマーで内側を整えてから、新品のブッシュを打ち込みます。
圧入と、シビアな精密作業
古いブッシュを抜くのは、専用のプレスとオリジナルのジグを使います。この工程はショップによってやり方がまちまちですが、Classcaでは自作のジグで丁寧に押し込んでいきます。

ブッシュを打ち込んだあとの作業は、正直DIYでは厳しい領域です。最終的に使うジグにシャフトがきれいに収まるかどうか、そのすり合わせが一番シビアなところ。

締め代が少なすぎればガタが出ますし、逆に詰めすぎると、さっきと同じように金属が擦れて地金が出てしまう。ほんのわずかな差で仕上がりが決まるので、この“加減”が一番難しい工程です。両側とも同じジグを通し、シャフトがスッと収まる状態に仕上げていきます。

サイドブレーキ周りもメンテナンス
あわせて、サイドブレーキワイヤーの方向を転換する部品もグリスアップします。ここもグリスニップルがついていて、注していくと後ろの隙間からグリスが出てくる仕組み。定期的なメンテナンスが前提の部品です。
ここの部品が割れると、内部にどんどん食い込んでいってしまう。動画ではなかなか見えづらい箇所ですが、中ではこういうことが起きています。
今回はスプリング仕様で軽快な乗り味に
この車両はラバーコーンではなく、スプリングに変更しています。ラバーコーンはゴムの塊の反発だけで動くので独特の突き上げがありますが、スプリング仕様(ソフト)はやはり乗りやすい。快適さを求める方には嬉しい仕様です。

ラジアスアームのオーバーホールは、これでひと通り完了。チューブを入れ、ベアリングを組み付ければ仕上がりです。

見えないところですが、ここをきちんと整えておくと、ミニ本来の気持ちよい走りが戻ってきます。
Classcaでは、お客様に安心して長く乗っていただけるよう、こうした一台ごとの納車整備を丁寧に行っています。
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