静岡県焼津市、高草山。
その中腹、花沢川沿いの山道脇に、長屋門造りの民家が並ぶ。
奈良期の東海道といわれる、「やきつべの小径」。
静岡と焼津を結ぶ主要峠道として多くの人が行き交ったこの道は、今は観光地・ハイキングコースとして知られる。
ここで暮らす人たちの営みに、100年前の暮らしを想像する。
街道を進むにつれて坂道は急になり、石垣は高くなっていく。
ふと目に入ったのは、手作りの控えめな看板の庭カフェ、「カントリーオーブン」。
木漏れ日と川のせせらぎに囲まれた、風情あるひとときに癒される。
焼津辺に 吾が行きしかば 駿河なる 阿倍の市道に 逢ひし子らはも
「万葉集」より 春日蔵首老の一首